はじめに
アメリカ留学で最初にぶつかった壁は、難しい単語ではありませんでした。
a lot of ~
中学で習う、あの3語です。
ネイティブの会話には何度も出てくるのに、耳に入ってこない。
文字で見れば一瞬で分かるのに、音になると気づけない。これは衝撃でした。
でも、今は確実に聞き取れます。
理由はシンプルです。自分で、同じスピードで言えるようになったから。
今回は、アメリカ英語の発音を教える人気YouTubeチャンネル「Rachel’s English」の動画を使います。
このチャンネルは、現地の語学クラスでおすすめされていたものでもあります。
この動画との出会い、私の英語力は飛躍的に向上しました。
最初の一文がまさに「A lot of」から始まるのです。
今回の動画
アメリカ英語の発音指導で知られるRachelが、「ネイティブのように話せるようになるには、どう練習すればいいか」に答えるレッスンです(約7分)。
紹介されている練習法は2つ。
- Ben Franklin Exercise:文字起こしを見ながら、強く読む所、つながる音、弱くなる語、イントネーションを細かく分析する。そのあと文字を伏せて自分で言い、録音してお手本と比べる。
- Imitation:文字は見ない。短い部分をくり返し再生し、聞こえたとおりに音の高さやリズムまで真似する。
どちらも、インタビューやポッドキャストなど、ネイティブの音声さえあればできる方法です。
このサイトの「インタビュー動画を真似して学ぶ」やり方の土台になっている考え方でもあります。
なぜ「a lot of」は聞き取れないのか
頭の中にある音は「ア・ロット・オブ」でしょうか。
でも、動画のRachelが言うのは「アラーダ」に近い音です。動画の中でも、この部分は「a lodda」のように聞こえると解説されています。
3語がひとかたまりになる理由は、3つの変化にあります。
- つながる:lot の最後の t と、of の o がくっついて「lotof」になる。
- t がダ行・ラ行のように変わる:母音にはさまれた t は、舌が軽くはじくだけの音(フラップT)になる。
rの下の動きでdの音を出すイメージ。water が「ワラ」「ワダ」に聞こえるのと同じで、アメリカ英語で特に目立ちます。 - of が弱くなる:「オブ」とははっきり言わず、短い「ア(ヴ)」程度。後ろに子音が来ると v もほぼ消えます。
その結果、a lot of people は「アラーダピーポー」のように聞こえます。くだけた文章では a lotta と書かれることもあるほどです。
動画ではもう1つ、大事な指摘があります。ネイティブは単語と単語の間に、ほとんどすき間を空けません。文全体が1本の線のように流れていきます。
文字で覚えた「ア・ロット・オブ」を待っている耳には、この音はまったく別の言葉に聞こえてしまうのです。
Sound
動画の冒頭を再生してください。 一度で聞き取れますか?
0:00
A lot of people ask me if it’s possible to sound like a native speaker.
ネイティブのように話せるようになるのか、とよく聞かれます。
最初の「A lot of」が、ひとかたまりで流れていったのではないでしょうか。
Shadowing
聞き取れなかった人も、心配はいりません。やることは1つ。同じスピードで言えるまで、真似することです。
動画で紹介されている2つの練習法を、この1文で試してみましょう。
- 「A lot of people ask me」までを区切って再生→すぐ真似する。これを10回
- 「ア・ロット・オブ」と言いそうになったら止める。文字を見ずに、音だけをもう一度聞く(Imitation)
- 次に「if it’s possible to sound like a native speaker」まで広げて、同じようにくり返す
- 文字を伏せて1文を通して言い、スマホで録音。Rachelの音と聞き比べる(Ben Franklin Exercise)
4まで来てから冒頭を再生し直すと、さっきまで流れていた音が「a lot of」として耳に入ってくるはずです。
自分の口で出せる音は、耳でもつかまえられる。留学中に何度も実感したことです。聞き流しをくり返すより、言える音を1つずつ増やすほうが、リスニングは早く伸びます。
慣れてきたら、こんな文でも練習してみてください。
- There are a lot of people here.
- That’s a lot of money.
- I learned a lot from him.(of がないと「アラッ」で切れる)
Phrases
a lot of
many or much. You can use it with both countable and uncountable nouns.
数えられる名詞にも、数えられない名詞にも使えます。
- a lot of questions
- a lot of time
lots of
the same meaning as a lot of, but a little more casual
a lot of より少しくだけた言い方です。
- We had lots of fun.
a lot(of なし)
very much, or often
動詞のあとに置いて「とても」「よく」の意味になります。
- Thanks a lot.
- You’ve changed a lot.
Is it possible to 〜?
used to ask whether something can be done
動画の「ask me if it’s possible to…」を、そのまま質問の形にした表現です。インタビューで相手の考えを聞くときに使えます。
- Is it possible to sound like a native speaker?
- Is it possible to learn English after 30?
まとめ
- a lot of は3語ではなく、「アラーダ」というひとかたまりの音
- 聞き取れないのは、文字どおりの音を待っているから
アメリカ英語では、t が[r]や[d]のような発音になるかを知っていれば、他の単語も聞き取りやすくなる! - 文字を見ずに、同じスピードで言えるまで真似すれば、聞こえるようになる
知っている単語ほど、耳では見落としがちです。簡単な言葉こそ、一度自分の口で言ってみてください。
